2012年 07月 22日
築60年の蔵と戯れる -その2- |
蔵の解体です。
ネズミよけのトタンを剥ぐとその内側には杉板。
それも釘を抜いて取ると、骨組みが露わになってきます。
通し貫が見えてきました。
この通し貫に板を直接打ち付けることで壁の剛性(硬さ)を取っていたので、板を外した途端に建物が揺れます。
よって、板を外した面には仮の筋交いを設置。
こうしてグルッと一回りして、壁の撤去完了。
屋根のトタンも落として、ルーフィングを取ると何とその下は杉板の柾葺き。
知識として知ってはいたけれど、まさか自分で手を掛けることになるとは。
一緒にいる大工さんも、それから80歳になる蔵の持ち主のおばあちゃんも「マサ」って呼んでるので、これはきっと「マサ」なのでしょう。
寸法はご覧の通り、長さ8寸程。幅は4寸~5寸くらい。厚みは1分あるかないか。
これを1寸5分の見出しで留め付けてあります。
おばあちゃんによると、建てて暫くはこれが屋根の仕上げだったそうです。
「この浮造りの綺麗さといったらないわ。」なんて初めのうちは喜んで写真など撮っていましたが、これを全部撤去しなきゃならない事に気付きブルーに。
いやいや。また予定外の手間だ。
そうして、日暮れまで屋根の上で柾板を剥がす作業が続き、その日の作業は終了。
それにしても、よくまぁこれだけの釘を打ったもんだ。
昔の人はえらい。
続く。
大工 齊田綾
ネズミよけのトタンを剥ぐとその内側には杉板。
それも釘を抜いて取ると、骨組みが露わになってきます。
通し貫が見えてきました。
この通し貫に板を直接打ち付けることで壁の剛性(硬さ)を取っていたので、板を外した途端に建物が揺れます。
よって、板を外した面には仮の筋交いを設置。
こうしてグルッと一回りして、壁の撤去完了。
屋根のトタンも落として、ルーフィングを取ると何とその下は杉板の柾葺き。
知識として知ってはいたけれど、まさか自分で手を掛けることになるとは。
「柾」って何? 手元の木造建築用語事典(井上書院)によると
板葺きの一種。おもにスギ・サワラ・クリなどの赤身を使い、繊維方向に挽き割って薄板にしたもの。
板の寸法によってトチ・トクサ・マサ・コバ・コケラなどの板がある。
とのこと。
一緒にいる大工さんも、それから80歳になる蔵の持ち主のおばあちゃんも「マサ」って呼んでるので、これはきっと「マサ」なのでしょう。
寸法はご覧の通り、長さ8寸程。幅は4寸~5寸くらい。厚みは1分あるかないか。
これを1寸5分の見出しで留め付けてあります。
おばあちゃんによると、建てて暫くはこれが屋根の仕上げだったそうです。
「この浮造りの綺麗さといったらないわ。」なんて初めのうちは喜んで写真など撮っていましたが、これを全部撤去しなきゃならない事に気付きブルーに。
いやいや。また予定外の手間だ。
そうして、日暮れまで屋根の上で柾板を剥がす作業が続き、その日の作業は終了。
それにしても、よくまぁこれだけの釘を打ったもんだ。
昔の人はえらい。
続く。
大工 齊田綾
by aya-saita
| 2012-07-22 20:23
| 築60年の蔵と戯れる
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