2012年 04月 11日
「震災がれき」のゆくえと、私たちの住むところ。-その4- |
北海道新聞 4月11日朝刊
シリーズインタビュー どうする震災がれき
「専用の焼却施設が必要」
医学物理工学を専門にする北大医学研究科教授 石川正純氏のコメント 以下要点のみ
厚沢部の学習会でも話されていたが、焼却灰の放射性セシウム濃度、1㌔当たり8000ベクレルというのは、作業員の被爆量から逆算したものであるということ。埋め立て処理をするには濃度が高すぎる。
石川氏が必要だという「専用の焼却施設」の建設が地方自治体に可能であるのか?そもそも既存の焼却炉を用いるのが前提の広域処理。陸前高田市が地元に焼却施設の新設を訴えたのに、退けたのは県と国である。わざわざこれから地方に焼却炉を新設するはずもない。
焼却灰をセメントに再利用するにしても、そのセメントを一般流通させるとなれば、また新たな問題を引き起こす。がれきの焼却灰を再利用したセメントは人間が普段接しない場所(地中深くのコンクリート構造物や福島原発の廃炉作業等)に使うほかない。
そして、その処理は、被災地に新たな焼却施設を建設して行うべきである。
本来なら、国によってとっくに始められているべき事である。
が、今からでも遅くはない。
これ以上、負の遺産を大きくしないために。
地域住民 齊田綾
シリーズインタビュー どうする震災がれき
「専用の焼却施設が必要」
医学物理工学を専門にする北大医学研究科教授 石川正純氏のコメント 以下要点のみ
・放射性廃棄物は集中管理する必要がある。取扱が難しく、拡散すればするほど十分な管理が難しくなる。
・他の自治体の協力がなければ復興に支障をきたすのであれば、広域処理はやむなし。しかし、焼却灰の放射能濃度が国の安全基準以内であっても数千ベクレルになる場合、各自治体で専用の焼却施設を設けるべきである。通常の焼却施設で燃やすと、一般ゴミと混ざり、放射能を帯びたゴミの量が増え、扱いにくくなる。焼却灰は濃縮してドラム缶などに密封し、被災地に戻し中間貯蔵するべき。
・焼却灰の国の基準は1㌔当たり8000ベクレルで、IAEAの基準に照らしても問題ない。しかし、最終的に一般ゴミとして埋め立てるには高すぎる。国は放射性セシウムで同100ベクレル以下をクリアランスレベルとしている。8000ベクレル以下という高い濃度で埋め立てなどの処分をするのは問題である。
・一般ゴミと交ぜて燃やし、全体の平均濃度を下げると言う考え方もあるが、焼却灰の濃度に濃淡が出る。そうしたケースも注視しなければならない。
・セメントに混ぜて再利用は、クリアランスレベルの100ベクレル以下なら原則可能。ただ、クリアランスレベルはこれほど大量の放射性物質を含むがれきの利用を想定していない。ビル一つが放射能を帯びたセメントで造られることも考えられる。その場合に100ベクレル以下という数字の再検討が必要。
・放射能を帯びたセメントが大量に流通すれば、妊婦や乳幼児の被爆は避けられない。
・放射能を帯びたセメントの流通ルートの情報開示や人が接する機会が限られているところでの使用など、新たなルール作りも議論すべき。
*クリアランスレベル
放射性物質の濃度が低く、ひとの健康への影響が無視できるとして、放射性物質を見なさず規制からはずす水準。英語の「除去」を意味する「Clearance」から名付けられた。原子炉規制法では、原発から出る金属など構造物を再利用する際の基準として採用。放射線障害防止法では、排出される放射性廃棄物の再利用・処理の目安にしている。1年間に自然放射線で受ける平均放射線量2.4㍉シーベルトの1/100以下の0.01㍉シーベルトを超えないように定められた。放射性物質ごとに基準値は設定されており、人体への影響度の単位であるベクレルであらわすと、放射性セシウムでは1㌔当たり100ベクレル以下。
以上、記事より要点を抜粋
厚沢部の学習会でも話されていたが、焼却灰の放射性セシウム濃度、1㌔当たり8000ベクレルというのは、作業員の被爆量から逆算したものであるということ。埋め立て処理をするには濃度が高すぎる。
石川氏が必要だという「専用の焼却施設」の建設が地方自治体に可能であるのか?そもそも既存の焼却炉を用いるのが前提の広域処理。陸前高田市が地元に焼却施設の新設を訴えたのに、退けたのは県と国である。わざわざこれから地方に焼却炉を新設するはずもない。
焼却灰をセメントに再利用するにしても、そのセメントを一般流通させるとなれば、また新たな問題を引き起こす。がれきの焼却灰を再利用したセメントは人間が普段接しない場所(地中深くのコンクリート構造物や福島原発の廃炉作業等)に使うほかない。
そして、その処理は、被災地に新たな焼却施設を建設して行うべきである。
本来なら、国によってとっくに始められているべき事である。
が、今からでも遅くはない。
これ以上、負の遺産を大きくしないために。
地域住民 齊田綾
by aya-saita
| 2012-04-11 09:34
| 震災がれきと原発
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