2013年 12月 09日
古い家を治して住む |
最近たてつづけに、中古住宅の改修工事の相談を受けました。
私と同世代くらい、もしくはもっと若い世代は「家は新築で建てるもの」という考えは強くないように感じます。
新築ピカピカよりも、むしろ多少古びてきた風合いを好まれる方もいます。
「中古物件をほぼ土地代だけで購入し治して住む」という選択肢はこれだけ家が余っている時代にはあたりまえの事。
ただ、大工から一つ注意しておきます。
床・壁・天井や水廻りなどを新しくすることに目が行きがちですが、まずは躯体(構造)の性能です。
とくに1981年(昭和56年)より前に建てられたと思われる建物は要注意!!
1981年は「新耐震基準」と呼ばれる基準が定められ、これ以降に建てられた建物はこの基準をクリアしていることになっています。
つまり、これ以前に建てられた建物は、現行の基準をクリアしていない、かもしれない。
実際に私が見た物件でも、明らかに壁の量が足りない建物がありました。
お客さんは、「今まで大丈夫だから、大丈夫なんじゃないの?」という方もいますが、今まで大丈夫なのと、これから大丈夫なのは別の話ですよね。
子供が小さかったり、まだ子供はいないけれどこれからという御家族にとっては、少なくともあと数十年は住み続ける暮らしの器。
「床は無垢材で」とか、「壁は漆喰で」とか、そういうのもモチロンいいのですが、まずは住まい手の生命と財産を守ることが第一です。
そして、私の住む北海道の場合は、30~40年前というのは断熱工事が始まった頃と重なります。
そのころの断熱といえば、「とりあえずグラスウール入れとけ」みたいな程度です。
現在では常識の気密シートや通気層の設置もなく、とりあえず「グラスウール入れときました」くらい。
それは、つまり、あちこちで壁の中で結露を起こして、構造材が傷んでいる可能性があるということです。
むしろ、断熱してない方がとてつもなく寒いけど建物としての傷みは少なかったりします。
ということで、
中古物件の購入を検討される方はその辺を(予算的にも)念頭に入れておきましょう。
そして、購入前に建築のプロと一緒に現場を見ることをお勧めします。
その物件を治して住むにはどれくらいのお金が掛かるのか。
(私の経験上、皆さんが当初考えているよりもお金が掛かる場合が多いです。)
あくまで総予算から考えるようにしましょう。
古い家を治して新たな命を吹き込むということはとても素敵なことだと思います。
だからこそ、見た目や雰囲気だけではなく、まずは骨組み(躯体)。
中はぶっちゃけ、あとからどうにでもなりますから。
大工 齊田綾
私と同世代くらい、もしくはもっと若い世代は「家は新築で建てるもの」という考えは強くないように感じます。
新築ピカピカよりも、むしろ多少古びてきた風合いを好まれる方もいます。
「中古物件をほぼ土地代だけで購入し治して住む」という選択肢はこれだけ家が余っている時代にはあたりまえの事。
ただ、大工から一つ注意しておきます。
床・壁・天井や水廻りなどを新しくすることに目が行きがちですが、まずは躯体(構造)の性能です。
とくに1981年(昭和56年)より前に建てられたと思われる建物は要注意!!
1981年は「新耐震基準」と呼ばれる基準が定められ、これ以降に建てられた建物はこの基準をクリアしていることになっています。
つまり、これ以前に建てられた建物は、現行の基準をクリアしていない、かもしれない。
実際に私が見た物件でも、明らかに壁の量が足りない建物がありました。
お客さんは、「今まで大丈夫だから、大丈夫なんじゃないの?」という方もいますが、今まで大丈夫なのと、これから大丈夫なのは別の話ですよね。
子供が小さかったり、まだ子供はいないけれどこれからという御家族にとっては、少なくともあと数十年は住み続ける暮らしの器。
「床は無垢材で」とか、「壁は漆喰で」とか、そういうのもモチロンいいのですが、まずは住まい手の生命と財産を守ることが第一です。
そして、私の住む北海道の場合は、30~40年前というのは断熱工事が始まった頃と重なります。
そのころの断熱といえば、「とりあえずグラスウール入れとけ」みたいな程度です。
現在では常識の気密シートや通気層の設置もなく、とりあえず「グラスウール入れときました」くらい。
それは、つまり、あちこちで壁の中で結露を起こして、構造材が傷んでいる可能性があるということです。
むしろ、断熱してない方がとてつもなく寒いけど建物としての傷みは少なかったりします。
ということで、
中古物件の購入を検討される方はその辺を(予算的にも)念頭に入れておきましょう。
そして、購入前に建築のプロと一緒に現場を見ることをお勧めします。
その物件を治して住むにはどれくらいのお金が掛かるのか。
(私の経験上、皆さんが当初考えているよりもお金が掛かる場合が多いです。)
あくまで総予算から考えるようにしましょう。
古い家を治して新たな命を吹き込むということはとても素敵なことだと思います。
だからこそ、見た目や雰囲気だけではなく、まずは骨組み(躯体)。
中はぶっちゃけ、あとからどうにでもなりますから。
大工 齊田綾
by aya-saita
| 2013-12-09 22:22
| その他
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