2012年 11月 29日
オール電化住宅は停電に弱いのか。 |
送電線の鉄塔が倒壊し、大規模な停電。
こういった停電時に話題になるのが、「オール電化の家は停電時に何も出来ないね」ということ。
では、実際のところ、「オール電化住宅」は停電に弱いのでしょうか。
生活の中でエネルギーが必要な場面と設備を見てみると
照明(電灯、ロウソク、松明・・・)
暖房(灯油・ガスストーブ、パネルヒーター、エアコン、電気蓄熱暖房、薪ストーブ・・・)
給湯(灯油ボイラー、ガスボイラー、電気温水器、太陽熱温水器(朝日ソーラー等)・・・)
調理(冷蔵庫、ガスコンロ、電子レンジ、ガスオーブン、かまど・・・)
洗濯(洗濯機、洗濯板)
トイレ(暖房便座、ウオシュレット)
通信(電話、FAX、TV、ラジオ、パソコン、携帯端末・・・)
他にもあるでしょうが、ぱっと思い付くのはこれくらい。
このうち、オール電化か否かでの違いが大きいと考えられるのは
暖房、給湯、調理の3つでしょう。
他はエネルギーが灯油でもガスでも停電すれば使えませんから。
そこで、この3つについて考えます。
オール電化住宅の場合、電気が使えなくなると
暖房 電気蓄熱暖房 →×
給湯 電気温水器 →×
調理 IHヒーター →×
やはり、総じて電気が無いとだめですね。当たり前か。
次に少し前まで北海道で一般的だった
暖房:灯油セントラル(パネルヒーター)
給湯:灯油ボイラ
調理:ガスコンロ
の場合を考えると
暖房 → 暖房ボイラー → × 電気制御なので、使えない。
給湯 → 給湯ボイラー → × 電気制御なので、使えない。
調理 → ガスコンロ → ○
ただし、システムキッチンにビルトインされている高機能なモノは使えない。
(*バックアップ電池ケースに配線に接続して使える機種もある。)
とうことで、ガスコンロはかろうじて使えますが、給湯も暖房もボイラーは全て電気制御なので使えません。
ガスによる暖房・給湯も同じで、制御部分が電気なので、停電するとまともに使えない。
ちなみに、我が家のポット式の灯油ストーブも電気がないと動かない。
というわけで、違いは台所の調理器具だけ。
つまり、オール電化住宅は停電にとても弱い。
しかし、オール電化でない家も停電にとても弱い。 ということなのです。
北電の肩を持つわけではありませんが、停電時の不便さがオール電化を叩く理由にはなりません。
それほど、我々の生活は電気無しでは成り立たなくなっています。
(唯一いけそうなのが、薪ストーブでしょうか。これなら、暖房はOK。機種によっては調理もできる。ただ、普段から薪を準備しなければなりませんが。)
(ちなみに、今話題の太陽光発電も、発電するのは日中のみ。
こんな暴風雪なら日中もその効果は見込めません。)
大事なのは、備えです。
停電の時のために、プラグ無しで使える暖房器具を備える。
カセットコンロとボンベを備える。
発電機とガソリンを備える。
そして、気持ちを備える。
現代において、よほどの事(大地震など)でなければ停電はたいてい2,3日で復旧します。
停電している時に、通電時と同じ暮らし方を求めるのではなく、復旧するまでの間をどれだけうまくやり過ごすか。
ここで試されるのは、家の機能(ハード)もさることながら、住まい手の能力(ソフト)です。
まずは、停電になったら何が使えて何が使えないのかを知る事から始めましょう。
ブレーカーを落として、家中の電気をダウンさせてみるのが手っ取り早いです。
寒い冬に、一晩だけの停電訓練というのも良いかもしれません。
大丈夫、人間一晩くらいなら何とでもなりますから。
大工 齊田綾
by aya-saita
| 2012-11-29 00:15
| 家づくり
|
Comments(0)