2012年 11月 17日
『大工塾 Ⅸ』 開催 |
私が「大工塾」の存在を知ったのは2005年でしたから、もう7年ほど前になるでしょうか。
まだ建築会社で大工見習いとして働いていた頃、「住宅建築」という建築雑誌の特集で見て「これは参加しなければ」と思ったのを鮮明に覚えています。
その頃はまだ、「無垢材」とか「木組み」とか「伝統構法」とかいった言葉を聞くだけで舞い上がって、自分の行く道はこれだ、なんて、勝手に意気込んでいました。
タイミングが合わずに時間だけが経ち、実際に参加出来たのは2009年の1月から始まった「大工塾 Ⅶ」でした。
独立して初めての新築現場を抱えてフラフラになりながら、毎月末に埼玉まで通いました。
土曜日の夜は講義の後に大工塾OBや講師の設計士さん達を囲んでの宴会。
日本の山の現状から、製材や乾燥の仕方、材料と設計、継ぎ手の作り方、刻み方のコツ、職人をまとめるにはどうしたらよいか・・・・などなど、それぞれの大工が抱えている疑問や問題をぶつけ合い、時には半分喧嘩になりながらも、どうにかして良いモノを作りたいという一心で夜中まで飲んで喋って。
飲みながらホワイトボードにあれやこれやと書いては消し書いては消し。
壁や継ぎ手の破壊試験では、実物の壊れ具合とグラフを見比べて構造の専門家との議論。
込み栓の位置や材質を大まじめに検討し、駄目ならその場で直してまた破壊試験。
今思い出しても、とても刺激的で、衝撃的で、そして自分の進む道はこれで良いんだ、と改めて背中を押してくれるような、素晴らしい体験でした。
その「大工塾」が来春から再び開催されます。
回数を重ねて9回目になる今回、様々な実験を経てアップデートされたデータを基に新たな展開がきっと待っているはずです。
私もOBとして来年度も何度かは参加するつもりです。
私が実践している、「地域の無垢材を使った木組みによる家づくり」のベースは、ここにあります。
大工塾とは (大工塾HPより引用)
大工塾は大工技術を学ぶ場ではなくて、大工として今何を考えるべきかを、皆で学ぼうとする場です。概要を知りたい方は、こちらでご覧下さい。
現在の環境に積極的に目を向けて、住宅造りの持つ意味をあらためて考えることで、主体的な住宅の造り手としての大工像を探ろうとするものです。
過去7回の大工塾の塾生は150人を超えましたが、それぞれの塾生は、それぞれの地域で、木造住宅を造り続けてゆく運動を展開しています。
そのような活動を続ける仲間をさらに増やしたいとの希望が、8回目の大工塾を開催する原動力です。
広い視野にたって、これからの大工像を探したいと考える大工さんの参加を希望します。
大工塾Ⅸ 概要 (pdf文書)
もし興味があって参加を検討する大工さんがいれば、まずはHP等を見てみてください。
何か心配なことがあれば私も一人のOBとしてお話し出来ることがあるかもしれませんので、連絡を頂ければ対応します。
モノづくりについて、モノの向こう側にあることについて、一緒に考えませんか?
大工塾7期生 齊田綾
by aya-saita
| 2012-11-17 00:00
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